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【概要】
台中の社口犂記本店実業股份有限公司(以下、「社口犂記」)により2019年3月26日付で台湾智慧財産局に出願された商標の第30類「茶、もち、綠豆椪(台湾まんじゅう)など」の指定商品について審査した結果、智慧財産局は、係争商標が引用商標と近似するものであると判断し、その出願は拒絶査定となった。その後、社口犂記は、その決定を不服として訴願を提出したが棄却されたため、智慧財産法院(知的財産裁判所)に本件の訴訟を提起した。
本件の係争商標及び引用商標は以下のとおりである。
【判決ダイジェスト】
1. 係争商標及び引用商標の識別要部はいずれも「犂記」の漢字であるため、類似度の高い商標に該当する。
2. 係争商標の権利者は社口犂記である一方、引用商標の権利者は張汝洲・張沂洲であり、権利者が異なるが、社口犂記は併存登録の同意書を取得しておらず、提出した証拠から借名登録についての事実を証明することもできない。
3.台湾の商標法は登録主義及び先願主義を導入しており、登録した名義人を商標権者とすることで商標登録の公示性を維持するものであるため、先に登録された引用商標がより保護されるべきである。
智慧財産及び商業法院111 (2022)年度行商訴字第35 号判決