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有名な飲食店のブランドである「麥當勞(マクドナルド)」、「珍煮丹TRUEDAN(トゥルーダン)」は、「麥當當」や「珍煮母」などの別称が他人に使用されることもあり、消費者の誤認・混同を引き起こすことが懸念される。
有名な飲食店のブランドである「麥當勞(マクドナルド)」、「珍煮丹TRUEDAN(トゥルーダン)」は、「麥當當」や「珍煮母」などの別称が他人に使用されることもあり、消費者の誤認・混同を引き起こすことが懸念される。別称が他人によって商標登録されることを避けるためには、すべての別称を先に商標登録出願するしかない。
台湾人は特にブランドに別称をつけるのが好きなようで、多くの有名ブランドには別称がある。別称は、ブランドの元の商標とある程度響きが似ており連想性があるもので、長年にわたって消費者から特定のブランドを指す通称として認知されている。例えば、「麥當當」と言えば、台湾では誰でもマクドナルドの中国語名称である「麥當勞)」のことだと分かるし、「珍煮母」と言えば、ドリンクチェーン店TRUEDAN(トゥルーダン)の中国語名称「珍煮丹」のことだとすぐ分かる。このような別称は元の商標とは異なり、商標の保護範囲に含まれないため、他人に使用され、消費者の誤認・混同を引き起こす恐れがある。したがって、別称が他人によって商標登録されることによりブランドの権益に影響が出ることを避けるには、このような別称をすべて先に商標登録するしかない。
このような別称は、特定のグループ内における流行に起因することがよくある。例えば、子供たちが「麥當勞」(マイダンラオ)を「麥當當」(マイダンダン)という、より呼びやすい名で呼ぶことから始まったり、ドリンク店をよく利用する若者たちが、「丹」と「母」とは文字の外観が近似することから、「珍煮丹」を「珍煮母」と呼ぶことから始まったりしている。商標登録の目的は、ブランドを保護し、消費者の誤認・混同を避けることであるから、似たような名称やよく使われる通称についても、保護される必要がある。そのため、別称を商標登録する企業が増えている。例えば、スターバックスの「フラペチーノ」のような店内オリジナルの商品名も商標登録されている。
自社商標や別称が先に他人によって登録されてしまった場合、どうすればよいのか?その場合、商標主務官庁(台湾では智慧財産局)を通じて異議申し立て・無効審判・取消審判などの手続きを行う必要がある。しかし、これらの行政救済手続きを取るには一定の条件が課せられ、条件を満たさない場合や証拠が不十分な場合、失敗に至る可能性がある。したがって、ブランド保護の観点から考えると、翻訳された別称、略称、通称などが他人によって登録されることにより消費者の誤認・混同が生じる事態や、紛争が発生する事態を防ぐためにも、ブランドの別称を先に登録することが推奨される。上述した企業がこのような方法で自社のブランドを保護している点は、見習うべきである。