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Appleは6月初めに、次世代型テクノロジーデバイス「Vision Pro」を発表した。
Appleは6月初めに、次世代型テクノロジーデバイス「Vision Pro」を発表した。
テクノロジーエキスパートたちは、Appleが10年かけて開発したVision Proが次世代の主流な電子製品になることを期待している。
Apple製品の研究開発に10年を要するなら、Apple社は関連技術の特許をどの程度前に取得する必要があるだろうか?
「AppleVision Pro」の仮想現実技術の紹介
Apple Vision ProはVR(仮想現実)分野で重大な技術革新を遂げ、3D空間体験に新たな定義をもたらした。
このデバイスのApple Immersive Video機能は、180度のハイビジョン画像と立体音響をユーザーに提供し、ユーザーは没入型の視聴体験を楽しむことができる。
さらに、環境ビューにより、ユーザーが仮想環境でフォーカスポイントを見つけられるようにし、Digital Crownのダイヤルを回すことで、ユーザーはどれだけ実世界に意識を向けるか、どれだけ仮想空間に浸るかをコントロールできる。詳細はこちらから:https://nr.apple.com/DH0W2J9HT0
(写真データの出典:www.apple.com)
関連するヘッドマウントデバイスの特許仮出願案件(2019年)
台湾特許発明の名称:光学システム、ヘッドマウントデバイス及びディスプレイシステム
OPTICAL SYSTEM, HEAD-MOUNTED DEVICE, AND DISPLAY SYSTEM
出願者:Apple Inc.
出願日:2020年5月22日
(優先権日:2019年5月30日、2020年3月26日)
出願番号:109117209
特許番号:I756691
本発明は、光学システムに関し、より具体的には、ディスプレイ用の光学システムに関する。
ヘッドマウントデバイスなどの電子デバイスは、ユーザーのために画像を生成する1つ以上のNear-eye Displayを有することができる。
ヘッドマウントデバイスは、仮想現実眼鏡であってもよく、又はビューアがビューアの周囲環境においてコンピューター生成画像及び現実世界オブジェクトの両方を見ることを可能にする拡張現実ヘッドセットであってもよい。
ディスプレイモジュール20Aは、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、レーザーベースのディスプレイ、反射型ディスプレイなど、さまざまな種類のディスプレイに適用できる。光学システム20Bは、ビューア(例えば、アイボックス24でのビューアの目)がディスプレイ(複数可)20上の画像を見ることを可能にするレンズを形成することができる。単一のディスプレイ20によって両方の目のための画像を生成することができ、又は一対のディスプレイ20を用いて画像を表示してもよい。複数のディスプレイを有する構成では、光学システム20Bによって形成されるレンズの焦点距離及び位置は、ディスプレイ間に存在する任意の隙間がユーザーに見えないように(すなわち、左側のディスプレイの画像と右側のディスプレイの画像が重なるように又はシームレスに併合されるように)、選択され得る。光学システム20Bは、現実世界画像又はオブジェクト28からの現実世界画像光を仮想(コンピュータ生成)画像と光学的に組み合わせることを可能にする構成要素(例えば、光コンバイナなど)を含んでもよい。
物理的環境とは、人々が電子システムの補助なしに、感知及び/又は相互作用することができる物理的世界を指す。
物理的な公園などの物理的環境には、物理的な木々、物理的な建物及び物理的な人々などの物理的物品が挙げられる。
人々は、視覚、触覚、聴覚、味覚及び臭覚などを介して、物理的環境を直接感知し、及び/又はそれと相互作用することができる。
拡張現実(AR)環境は、1つ以上の仮想オブジェクトが物理的環境上又はその表現上に重ねられたシミュレーション環境を指す。
透明又は半透明のディスプレイを使用するARシステムでは、人が物理的環境を直接見ることができ、ディスプレイ上の仮想オブジェクトが提示される。
システムは、不透明なディスプレイと、物理的表現である、物理的環境の画像又は動画をキャプチャする1つ以上の撮像センサーを有してもよい。
プロジェクションシステムも仮想オブジェクトを物理的環境に投影できる。
さらに、パススルービデオシステムは、撮像センサーを使用して、物理的環境の画像をキャプチャし、不透明ディスプレイ上にAR環境を提示する際にそれらの画像を使用する。
クロスカプラは、表面レリーフ格子、メタ格子(meta-grating)又はホログラフィック位相格子(holographic phase grating)を含んでもよい。ホログラフィック位相格子(例:体積ホログラム)を使用して格子構造72及び74を実装することができる。体積ホログラムは、表面レリーフ格子よりもはるかに狭い波長帯を示す。したがって、体積ホログラムは、特定の波長範囲の光を回折させ、同時に入射角を固定することができる。光38の各波長を回折させるために、格子構造72及び74はそれぞれ、対応する多重化された体積ホログラム(又は他のホログラフィック位相格子)のセットを含む。これらのホログラムは、異なる波長の範囲及び/又は入射角の範囲からの光を回折させるために、重ね合わせても、分割されてもよい。このようにして、クロスカプラ54内のホログラフィック位相格子は、偶数回の回折を、広範囲の波長にわたる入射光に対して行うことができる。
まとめ:
現在のVision Pro製品の技術的特徴は上記の特許中に見出すことができる。例えば、ヘッドマウントデバイスは、仮想現実眼鏡であってもよく、又はビューアがビューアの周囲環境においてコンピューター生成画像及び現実世界オブジェクトの両方を見ることを可能にする拡張現実ヘッドセットであってもよい。
また、システムは、不透明なディスプレイと、物理的表現である、物理的環境の画像又は動画をキャプチャする1つ以上の撮像センサーを有してもよい。
また、アップル社が、将来的にデバイスの機能レベルをさらに向上させ、人類の五感(視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚)を模倣し、仮想と現実を統合してリアリティを高めようとしていることも分かる。
以上のことから、特許を通じて、技術の発展傾向を理解し、特許の範囲を回避し、さらに深い研究開発のために、開示された技術を活用することができる。
著者:弁理士 江日舜