スピーカーを販売するオーディオ企業のSonosが、Googleを「スマートスピーカーの設計に関する5件の特許を侵害した」として提訴しました。Sonosは損害賠償の請求と、侵害したGoogleのスマートスピーカーやスマートフォン、ノートPCなどの販売差し止めを連邦裁判所に要求しています。
Sonosが特許侵害を理由に販売の差し止めを要求しているのは、Google Home、Google Nest Mini、Google Nest Hub、Google Nest Hub Max、Google Nest Wifi、Chromecast、Chromecast Ultra、Chromecast Audio、Pixelシリーズ、Pixel Slate、Pixelbookです。いずれの製品もスマートスピーカー技術や音声操作技術などで、Sonosの特許を侵害しているとSonosは訴えています。
Sonosは自社プラットフォームでGoogle Play Musicをサポートするため、Googleと2013年に業務提携を行いました。その際にSonosがマルチルームスピーカー技術をGoogleと共有したところ、2015年にGoogleが発売したChromecast Audioにその技術が無断で使用され、Chromecast Audioが生産終了になった後もGoogle HomeやPixelシリーズでマルチルームスピーカー技術の無断使用が続いたとSonosは主張しています。
SonosはGoogle Homeが発表された2016年から、Googleに対して何度も警告していたとのこと。複数スピーカーでのオーディオ同期、音量調整、LANでのデバイスセットアップなど、GoogleがSonosの特許を侵害した例は2019年2月までに100件を超える、とSonosは述べています。
Sonosのパトリック・スペンスCEOは「GoogleアシスタントをSonosのプラットフォームに導入するなど、Googleは長年にわたって協力してきた重要なパートナーです。しかし、GoogleはSonosの特許技術を露骨に、故意にコピーしてスマートスピーカーを作成しました」「過去数年間にわたるSonosの度重なる広範な努力にもかかわらず、Googleは相互に有益なソリューションでSonosと協力する意欲を示していません」と語りました。
Googleの広報担当であるホセ・カスタネダ氏は「GoogleはSonosと長年にわたって知的財産について協議を重ねてきました」と述べ「Sonosが誠実に交渉を続けるのではなく、訴訟を起こしたことに失望しています。私たちはSonosの主張に異議を唱え、積極的にGoogleの正当性を主張します」という声明を発表し、全面的に争う構えを見せました。
またSonosは、訴訟は起こしていませんが、Echoシリーズを販売するAmazonも自社特許を侵害しているとコメント。Amazonの広報担当者は「EchoシリーズのデバイスとAmazonのマルチスピーカー技術はAmazonが独自に開発したものです」と、特許侵害を否定しています。
出典:
https://gigazine.net/news/20200108-sonos-sue-google/