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高層住宅が立ち並ぶ中国の都会では、火災などの緊急事態における避難が大きな課題になっている。大都会・上海に住む70代の男性・周妙栄(ジョウ・ミヤオロン)さんは、高層ビルの階段に備え付けられる滑り台を発明した。
この滑り台はステンレスとアルミの合金で作られており、いくつものパーツに分かれる。パーツは1つ1つ階段の壁や天井に収納しておくことができ、火災発生時にこのパーツをつなぎ合わせていくことで長い非常用滑り台が完成する。備え付けのシートを背中に装着してこの滑り台を使えば、26階にいる人がわずか90秒で避難できるという。
ジグザグ構造の階段に設置するため、滑り台はその都度カーブを描くことになり、あまり速度が高まると遠心力ですべり台の外に放り出される危険性もある。周さんはそのあたりもしっかり計算して滑り台を設計しており、安心して避難できるようになっているとのことである。
現在、この滑り台は上海のある高層住宅で試験的に設置されており、欧州や米国、日本、ロシアなどですでに特許を取得しているそうだ。ただ、現状では国の検査基準がないため、中国国内ではまだ市場で販売することはできていないという。
この発明に対する中国ネットユーザーの反応は今ひとつだ。「普段格納しておいて、火災が起きた時に一体誰がつなぎ合わせるのか」「火事になったら熱くなるのでは」「高齢者には良いかもしれないが、若者は駆け下りた方が速い」「これは基準をクリアできないだろう。問題があまりにも多すぎる」といったコメントが寄せられた。また、「ごみを捨てるのには便利そう」と、避難用以外の用途を考えるユーザーもいた。
改良の余地が非常に多いという見方が大半を占めるなかで、あるユーザーからは「役に立つかどうかは別として、その姿勢は評価すべきだ」との称賛も見られた。
出典:https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20171110/Recordchina_20171110016.html