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先月、日本が半導体核心素材に対する輸出制限を始め、一部の専門家を中心に「次のターゲットは炭素繊維」という懸念が出ている。
炭素繊維は日本の東レ、HOYA、三菱レイヨンなどが世界市場シェア66%を占めるなど対日輸入依存度が高い。韓国が未来の産業として投資する水素経済の核心部品である水素タンクを炭素繊維で作るのも「日本の素材武器化」懸念が強まった理由だ。
しかし中央日報の取材の結果、炭素繊維はすでに「克日」の土台を確保したことが確認された。輸入依存度が高かったのはグローバル供給網による選択であり、代替材を使用する場合は認証などに時間がかかるが、十分に国産化が可能というのが専門家の分析だ。燃料電池車「ネクソ(NEXO)」に東レの炭素繊維で作った水素タンクを使用する現代自動車も「すでに国産代替品研究が終わった状態であり、日本が供給を中断しても大きな問題はない」と述べた。
9日に全羅北道全州市(チョンジュシ)の韓国炭素融合技術院で「炭素繊維独立」の寄与したパン・ユンヒョク院長(55)に会った。パン院長はヒョソン先端素材事業本部長時代に炭素繊維の国産化を進めた人物だ。昨年、韓国炭素融合技術院長に就任した。
--先進国に比べて30年以上遅れていた炭素繊維の開発を始めた理由は。
「1980年代初め、韓国科学技術研究院(KIST)と大企業が開発に着手したが、20年後に放棄した。国防・航空宇宙分野に使用される戦略物資であるため、基礎技術の開発が容易でなかった。10年間の空白を経てヒョソン先端素材が再挑戦して成功した。ちょうど自治体(全羅北道)と主務部処(産業通商資源部)が専門研究機関(韓国炭素融合技術院)を設立した」
--どのように成功の可能性を確信したのか。
「2000年代半ば、すでに市場成長率が10%を超えるほど成長の可能性が高かった。20年間失敗したうえ、すでに日本企業が市場を掌握しているため難しいという雰囲気もあった。ヒョソンが果敢な決断をし、政府と自治体が支援したのが大きかった」
--炭素繊維原料のプリカーサー(precursor)を開発した経験があったが。
「二度としたくはなかった。資料もすべて焼却したし、施設・装備もなくなった状態だった。運が良かったのは、技術院の前身の全州機械産業リサーチセンターが150トン規模の準商用級炭化設備を産業資源部の資金を受けて作ったことだった。企業が市場を見て参入し、政府が資金を、自治体が装備を用意した。5年間の高強度炭素繊維開発国策課題を3年半で終えた」
--20年間失敗した炭素繊維の開発に成功した秘訣は何か。
「失敗の経験が基礎になったようだ。炭素繊維の生産は原料の重合体をプリカーサーにする工程とこれを炭化して炭素繊維にする工程に分かれる。プリカーサー工程が全体の技術の70-80%を占める。特許を避けながら満了した特許を活用し、ここに我々のアイデアを加えて開発に成功した」
--国内の部品・素材産業を育成すべきだという声が高まっている。
「すべての部品・素材を国産化することはできない。わが国の産業構造は素材から中間財・部品・完成品・サービスが連結した形態だ。産業全体の価値を高めることができる素材に選択と集中をしなければいけない」
--日本の貿易報復は日本の立場で合理的な選択だろうか。
「日本がサムスンにあのように(核心素材輸出制限)してはいけない。厳しいクライアントが部品・素材企業を強くする。航空機用炭素繊維の中間財を東レが米ボーイングに供給するが、本当に厳しい品質管理を要求する。良い顧客がずっとフィードバックを与えるため東レが成長できた。日本素材企業がサムスン電子という顧客を失えば長期的に競争力を失うしかない」
--部品・素材分野で「克日」するには。
「我々は繊維を繊維として見たが、日本は先端精密化学素材として見ていた。マインド自体が違う。新しい素材、応用分野に対する緻密な研究が部品・素材強国に進む近道だ」
出典:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190816-00000020-cnippou-kr