スペシャルコラム
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アメリカのスポーツブランドであるスケッチャーズ(Skechers)がこのほどフランスの高級ブランドであるエルメス(Hermès)を提訴した。
スケッチャーズは、エルメスのスニーカー「エクレア(Eclair)」と「アンヴォル(Envol)」のソールデザインが、スケッチャーズの所有する二つの意匠登録第965263号と第925183号を侵害していると主張し、エルメスに対して侵害行為の禁止と損害賠償の支払いを求めている(比較表参照)。
スケッチャーズ側は、エルメスのような一流企業がスケッチャーズのデザインを盗用し意匠権を侵害したことに遺憾の意を表明し、法的措置を取らざるを得なかったと述べている。近年、スケッチャーズは、エルメス以外にも多くのアパレルやスポーツブランドと知的財産権に関する訴訟を起こしている。
シューズのソール部分のデザインがアッパー部分よりも争点になりやすいのは、アッパーのデザインは変化に富んでいるが、ソールは機能性を考慮する必要があるため、アッパーほどデザインに多様性がないからかもしれない。
意匠権侵害に関する比較には二つの方法がある。一つ目は、通常の観察者(Ordinary Observer)の客観的視点から全体を観察する方法であり、二つ目は、係争意匠と被疑侵害対象と被疑侵害対象に最も近い先行デザインの三者を比較して、被疑侵害対象が係争意匠と先行デザインのどちらに近いかを判断する三者比較法(Three-Way Visual Comparison Test)である。