引用文献の技術を組み合わせる動機を判決から検討
 

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引用文献の技術を組み合わせる動機を判決から検討

引用文献の技術を組み合わせる動機を判決から検討

判決:110 年度(2021年度)民専上訴字第32号

乙第1号証から乙第3号証は、いずれもスライドファスナーの技術分野に属する引用文献であり、三者の技術分野には関連性がある。乙第2号証および乙第3号証の明細書には、いずれもスライドファスナーの防水効果を高めるという目的が記載され、解決しようとする課題には共通性があり、乙第1号証と乙第2号証の図面で示される部材は、スライドファスナーの強度を高める部材として実質的に同じものであり、両者は機能および効果において共通している。当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者がスライドファスナーの防水効果を高めるという課題に直面したとき、乙第2号証の合成樹脂複合薄膜防水層を有するスライドファスナーに、乙第3号証の難燃剤及び防水剤を含浸させる方法を適用することには合理的な動機付けがある。【智慧財産局民事雙月刊111年8月號(台湾特許庁民事隔月刊2022年8月号)】

 

組み合わせの動機

 進歩性の判断では、複数の文献の技術を組み合わせることの動機について、「技術分野の関連性、解決しようとする課題の共通性、機能や作用の共通性および教示や推奨等の事項」という主に四つの観点を総合して考慮される。

 技術分野の関連性は、実体のある事物の分野ではあまり議論されないが、ソフトウェア技術に関連する応用においては、技術分野がソフトウェア分野やアプリケーションの分野に属するため、両者の関連性がある技術を組み合わせる動機について議論の余地があることが多い。解決しようとする課題の共通性という点では、この部分には議論すべき点がたくさんある。 まず、解決しようとする課題は、開示された引用文献が主体なのであろうか?次に、引用された技術的特徴は、解決しようとする課題と関連するものなのか?二つの引用文献で開示された主な特徴は、確かに防水という課題を解決しようとするものであるが、引用された構造が、実際には防水とは関係なく、耐久性に関係するものかもしれない場合、この状況は解決しようとする課題の共通性に属するのか?もう一つの状況は、二つの引用文献はいずれも防水不良という課題の解決が大まかな方向性ではあるが、実際には両者の防水不良を引き起こす原因が異なっており、技術的特徴が互いに転用されても、それぞれの課題を解決できない場合、このような状況は解決しようとする課題の共通性に属するのか?

 実務では、組み合わせの動機についてそのような細かいことを検討することはなく、通常は大まかな方向性により判断し、少しでも関連性があったり、共通性があるように見えたりすれば、組み合わせられ、時には後知恵が生じやすい。現在は技術が成熟し精密化しているため、その変化の多くは非常に小さなものであり、技術者が費やした労力の大きさを推し量ることは難しいが、技術が特許文章に変化した後、進歩性の判断において、引用文献の技術を組み合わせる動機についての合理性を判断することは確かに困難である。

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