1873年5月20日はファッション界にとって画期的な日であった。男性用作業ズボンにリベットを使用した技術が初めて米国特許を取得し、ここからブルージーンズが誕生したのである。2人の移民、リーバイ・ストラウスと・ヤコブ・デイビスはこの日、創造力と起業家精神を結集し、世代を超えた商品であるジーンズを生み出した。
仕立て屋のヤコブ・W・デイビスは、リーバイ・ストラウスから生地を仕入れて製品を作っていた。 ある労働者の妻から、破れにくく長持ちするズボンを作ってほしいと頼まれたヤコブ・デイビスは、金属のリベットを使ってズボンを補強することを思いついた。彼は、ポケットの角やボタンの基部などの力がかかりやすい箇所に金属リベットを配置し、驚くべきことに、このリベット付きズボンは瞬く間にヒット商品となった。
ヤコブ・デイビスは作業ズボンの補強方法についての特許を出願することに決め、その成果を共有し、製品の販売促進を手伝ってくれるビジネス・パートナーを必要としていた。頭が切れるビジネスマンであったリーバイ・ストラウスは、新製品の可能性を見いだし、ヤコブ・デイビスの提案に同意し、1872年8月9日付で米国特許商標局へ特許が出願された。
1873年5月20日、この2人のビジネスマンは同局から特許番号第139,121号を取得し、ジーンズ誕生の礎を築いた。 リーバイスのレザーパッチには「Patented MAY20 1873」と記されており、この特許がリーバイスにとって歴史的に重要な意味を持つことが分かる。
特許文献(米国特許第139,121号):
この特許の内容は、「ポケットの開口部を補強する固定方法」である。この発明は、主に金属製のリベットやボタンを使用し、ポケットの縫い目が破れたり圧力でほつれたりするのを防ぐ、ポケット開口の固定方法である。ヤコブ・デイビスの発明は、ポケットの開口部の両側に金属製のリベットやボタンを取り付け、圧力を受けて縫い目がほつれるのを防ぎ、縫い目が裂かれるような圧力がかかるのを防止できるものであった。
この特許は、従来のステッチに金属のリベットやボタンを加えることで、圧力がかかっても破れないようにした新しいジーンズの製造方法を示している。 この革新的なデザインによってジーンズはより丈夫になったため、労働者の間で人気が出た。それ以来、ステッチを補強し、リベットで固定したデニム製のズボンを「ジーンズ」と呼ぶようになった。
この先も、ジーンズを見たり履いたりする人々が、先見の明のある2人の移民による、世界を変えた特許を思い出すであろう。彼らの創造性と起業家精神の結晶が、デニム、糸、そして少しの金属を、今日世界中で最も人気のあるジーンズへと変えたのだ。