位置商標とは何か?どのように保護を取得するのか
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位置商標とは何か?どのように保護を取得するのか

位置商標は、商標の識別機能において重要な役割を果たすものであり、消費者が他人の商品・サービスと区別するための手がかりとなる特徴である。文字・図形、色彩、または立体形状を商品やサービスの特定の位置に表示する態様であれば、位置商標として保護を受けることが可能である。本稿では、位置商標の具体的な態様、権利取得の方法、さらに位置商標以外に取得可能な保護手段について解説する。

位置商標とは何か?どのように保護を取得するのか
一、位置商標とは
位置商標とは、文字・図形、色彩または立体形状を商品またはサービスの特定の位置に表示し、その位置自体が商標の識別上重要な特徴となるものをいう。この特徴により、消費者は他人の商品・サービスと区別し、当該特徴からその出所を認識することができる。
 
一般的な商標は、文字や図形などの平面的な標章が多く、カラーやモノクロの組み合わせで構成されることが多い。一方、位置商標も基本的な機能は同様であるが、識別の対象が平面そのものではなく「特定の位置」にある点が特徴である。消費者はその位置的特徴を見ることで、どの企業の商品またはサービスであるかを想起する。
 
位置商標を出願する際には、破線を用いて商標が使用される位置を示し、あわせて使用方法や位置に関する説明を行うことで、商標権を取得することが可能である。これにより、長年にわたり著名となった商品やサービスの特徴に対する模倣を効果的に防止することができる。
 
 
二、位置商標の登録例
実際にどのような位置商標が出願・登録されているのかについては、被服分野自動車.航空運輸分野化粧品眼鏡等の日用品分野など、さまざまな業界において登録例が存在する。
 
被服:
 
 
商標の態様 1
指定商品・役務:ジャケット。
商品・役務の特徴:
本商標は、ジャケットの肩から袖口にかけての袖部分に表示された3本の平行線より構成されるものである。なお、破線部分はジャケットの形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
 
商標の態様 2
指定商品・役務:フード付きスポーツシャツ、上衣、外套。
商品・役務の特徴:
本商標は、被服のひもの先端部分に付された、「Superdry 極度乾燥(しなさい)」の文字を含む橙色のタグより構成されるものである。なお、破線部分は商標の一部を構成するものではない。
 
 
 
商標の態様 3
指定商品・役務:靴、履物。
商品・役務の特徴1:
本商標は、靴の側部に表示された円形の図形より構成されるものである。円形図形の最外周は実線の円形で表され、その内側には2本の円形破線が配され、中央には五角星が表示されている。さらに、「CONVERSE」の文字が五角星の上方に弧状に配され、「ALL STAR」の文字が五角星の下方に弧状に配されている。また、五角星の左右にはそれぞれ筆記体で「Chuck」及び「Taylor」の文字が表示されている。なお、円形図形以外の破線部分は靴の形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
交通機械類:
 
 
商標の態様 1
指定商品・役務:自動車。
商品・役務の特徴:
本商標は、自動車前面中央部、すなわち前照灯の間の位置に表示された、スピンドル形状のラジエーターグリル外観より構成されるものである。なお、破線部分は自動車の形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
 
商標の態様 2
指定商品・役務:航空輸送、旅行予約、その他。
商品・役務の特徴:
本商標は、航空機の尾翼に一定の態様で表示された、橙色地と黒色の曲線模様の組合せより構成されるものである。なお、破線部分は航空機後部の形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
商標の態様 3
指定商品・役務:旅客航空輸送、貨物航空輸送及び航空貨物輸送、その他。
商品・役務の特徴:
本商標は、航空機の尾翼及び機体後部に一定の態様で付された赤色、白色及び青色の横縞の組合せより構成されるものである。なお、破線部分は尾翼及び機体後部の形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
化粧品・日用品類:
 
 
商標の態様 1
指定商品・役務:口紅、リップカラー、リップグロス、リップオイル。
商品・役務の特徴:
本商標は、指定商品における棒状部分の頂部に付された図形より構成されるものである。なお、破線部分は本商標が使用される商品の形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
 
商標の態様 2
指定商品・役務:眼鏡、眼鏡フレーム。
商品・役務の特徴:
本商標は、眼鏡フレーム右上部に表示された、出願人の会社名称の一部である「FAURE LE PAGE」の文字より構成されるものであり、図示のとおりである。なお、眼鏡のレンズ及びフレーム自体は商標の一部を構成するものではなく、本件商標の使用位置を示すために、破線により表されている。
 
 
 
商標の態様 3
指定商品・役務:携帯電話機用ケース、スマートフォン用保護ケース、タブレットコンピュータ用保護ケース。
商品・役務の特徴:
本商標は、携帯電話機用ケース背面左上隅に表示された、「CASETiFY」の欧文字を含む角丸四角形より構成されるものである。なお、破線部分は携帯電話機用ケースの形状を示すものであり、商標の一部を構成するものではない。
 
 
三、なぜ位置商標を出願するのか
商品やブランドが一定の知名度を獲得すると、いわゆる「フリーライド(ただ乗り)」を試みる事業者が現れることは少なくない。商標名称の模倣が困難である場合、他社は商品やサービスの特徴的な部分を模倣することで、消費者の注意を引こうとする。
しかし、これらの特徴は多くの場合、企業が長年にわたり使用し、消費者の間で重要な識別要素として認識されてきたものであり、企業努力の結晶である。これらが模倣されることは、ブランド価値の毀損や、低品質な模倣品による企業イメージの低下につながるおそれがある。
 
このような市場秩序の混乱を防ぐため、台湾商標法は2011年の改正により、「商品またはサービスの出所を識別し得る標識であれば、商標として登録可能」と規定し、位置商標の登録が認められるようになった。また、商標法施行細則第13条第2項では、破線を用いて商標の使用位置や方法等を示し、その部分は商標の構成要素に含まれないことが明記されている。
 
もっとも、位置的特徴が容易に独占されることは他の事業者にとって不利益となり得るため、その識別性の審査基準は通常の商標よりも厳格である。したがって、位置商標の出願にあたっては、当該特徴がすでに消費者により出所識別として認識されていること(後天的識別力)を立証する必要がある。
 
 
四、位置商標の権利取得方法
位置商標の登録例からも分かるように、一般的には知名度の高いブランドが多く、長年の使用や広告投資により、特定の位置が出所識別として認識されるに至っている。
 
したがって、位置商標の保護を求める場合には、後天的識別力の獲得を示す証拠を提出することが重要であり、具体的には以下のような資料が挙げられる:
① 商標の使用態様、使用期間および同業他社の使用状況
② 販売数量、売上高および市場占有率
③ 広告宣伝の内容、広告費およびプロモーション活動資料
④ 販売地域、市場分布、販売拠点または展示場所の範囲
⑤ 各国における登録状況
⑥ 市場調査報告
⑦ その他、後天的識別力を証明し得る資料
 
 
五、より取得しやすい権利としての意匠
位置商標の取得は容易ではなく、識別性の審査が厳格であるため、多くの証拠や広告投資が必要となる。そのため、より実務的な選択肢として意匠の出願が考えられる。
 
意匠権は最大15年間の保護を受けることができるが、出願前に公開されていないことが原則として必要である点に注意が必要である。また、商標権と異なり、保護期間満了後は権利が消滅する。
 
 
六、位置商標と著作権による保護の可能性
著作権法第3条第1項第1号によれば、「著作」とは文学、科学、芸術またはその他の学術範囲に属する創作をいう。美術著作には、絵画、版画、漫画、書法、字体デザイン、彫刻、工芸品などが含まれる。
 
したがって、位置商標の図様が美術著作の要件を満たす場合には、著作権による保護も可能である。
 
ただし、著作権の保護期間は有限であり、著作者が自然人の場合は死後50年、法人の場合は公表後50年までとされる。また、著作権は創作と同時に発生するため、権利主張時には著作者であること、または権利譲渡を受けていることの立証が必要となる。
 
このため、立証負担を軽減する観点から、完成した著作については速やかに著作権登録を行うことが推奨される。台湾には公的登録制度は存在しないが、民間機関による登録や、中国、日本、韓国、米国等での登録を行うことで、証拠力を高めることが可能である。
 
 
まとめ:位置商標の多層的保護
以上のとおり、位置商標は商標としての保護に加え、意匠権や著作権による保護を併用することが可能である。複数の権利を組み合わせることで、侵害発生時により有利な権利を選択して行使することができ、柔軟かつ効果的に自社の利益を最大化することが可能となる。
 
 
出典:台湾智慧財産局
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