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商標は無体財産権の一種であり、他の財産と同様に相続、移転、またはライセンス供与が可能であり、相続人がその権利と利益を承継する。したがって、商標権は権利者の死亡によって当然に消滅することはない。しかし、特定の状況下では商標権が消失する可能性がある。以下にその詳細を解説する。

一、商標権者の死亡による商標権の当然消滅
商標権者が死亡した場合、商標権は自動的に消滅するのだろうか。実のところ、商標権は特許権や著作権などの知的財産権と同様に、実体のない財産的権利であり、「無形財産権」に分類される。これに対し、現金や車両などの動産、家屋や土地などの不動産は「有形財産権」と呼ばれる。商標権は財産権である以上、その性質として、商標権者は自由に処分や収益化を行い、ライセンス供与や移転などを行うことができる。
商標法第47条の規定によれば、商標は以下のいずれかの事由に該当する場合、商標権は当然に消滅する。
このうち商標法第47条第2項は、商標権者が死亡し、かつ相続人が存在しない場合、商標権は商標権者の死亡と同時に消滅すると明文で規定している。つまり、商標権が消滅するのは相続人がいない場合に限られる。相続人がいる場合は、相続人が商標権を相続することが可能である。しかし、動産や不動産は視覚的・物理的に確認できるため見落とされにくいが、商標権は無形財産権であるため、相続人に忘れ去られるケースが少なくない。動産や不動産の手続きが完了して一区切りついたと思い込み、いざ使用する必要が生じた際にようやく思い出すことで、商標権の空白期間が生じたり、最悪の場合は期間満了で消滅したりすることになる。その場合、改めて商標登録出願を行うほかない。
しかし、商標出願は時期が遅くなるほど先行資料が増える。かつては登録が認められた商標であっても、後に規定が改正されて認められなくなったり、他者の先行商標と類似・競合したりして、スムーズに登録できない可能性がある。これでは商標権の中断を招き、回復不能になることさえあり、損失は極めて大きい。
二、商標権の相続
相続人が商標の相続手続きを行う場合、どのような書類が必要になるか。以下の2つの状況に分けられる。
(一) 商標の査定・公告前で、まだ商標権を取得していない場合
(二) 商標が査定・公告され、すでに商標権を取得している場合
三、相続手続きを行わないことによるリスク
商標権の相続手続きが行われないまま、相続人も存在しない場合、商標法第47条第2項に基づき、商標権は権利者の死亡時に消滅する。ただし、商標権がまだ存続期間内であれば、相続人は相続関連資料を提出し、相続移転を申請することで、商標権を元の権利者から相続人へ移転することができる。しかし、商標権がすでに期間満了で消滅している場合は、新規に商標出願を行うしかない。
実務上の事例として、商標権者が他者に製造・販売のライセンスを与えていたが、両者の間でライセンス登録(設定登録)が行われていなかったケースがある。商標権者が死亡し相続人がいなかったが、ライセンスを受けた側は使用権に影響が出ることに気づかず、そのまま使用を続けていた。ところが、第三者がその商標について「3年間継続して使用されていない」として取り消しを求め、自らその商標を出願した。この場合、長年の経営努力が他人の手に渡り、その商標を継続して使用できなくなるという苦境に直面することになる(知的財産法院113年行商訴字第67号判決参照)。
四、商標権が消滅してしまった場合の対応
相続人が被相続人の商標権を思い出したものの、すでに期間満了で消滅していた場合、相続人にできることは、早急に新規商標出願を行い、商標の命脈を保ち、権利を維持することである。この際、以前に登録していた商品・役務(サービス)の区分が、現在の権利を完全に保護できるものかどうかを同時に再検討すべきである。時代の変化とともに新製品やサービスが登場している場合、新規出願に合わせてそれらを適切に追加することで、より包括的に商標権を保護することができる。
上述の通り、商標権の相続は民事上の一般相続と同様に時期的な制約があるため、適切な時期に権利の承継を行う必要がある。特許権などの他の知的財産権も相続が可能だが、著作権については「著作財産権」のみが相続の対象となる。著作人格権は創作者に専属する権利であり相続の対象とはならないが、例外として創作者の名誉が毀損された場合、相続人は侵害者に賠償や名誉回復などを求めることができる。
したがって、相続人は承継可能な権利を網羅的に確認し、規定の期限内に移転手続きを行うことで、重要な権益を喪失し後悔することのないよう留意すべきである。関連する権利の疑問については、商標代理人、弁理士、弁護士などの専門家に相談し、適切な解決を図ることが推奨される。
資料引用元:113年行商訴字第67号判決