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台湾智慧財産法院105年(西暦2016年)度行商訴字第42号行政判決
商標の名称: |
古傳 |
商標の種類: |
商標 |
出願番号: |
103036192 |
出願日: |
1030626 |
拒絶査定番号: |
T0362398 |
行政救済記録: |
Y |
拒絶査定の適用条項: |
290101 |
拒絶査定公告日: |
1040601 |
出願人の 中国語名称: |
華陀扶元堂生藥科技股份有限公司 |
国籍: |
中華民國 |
商標の形態: |
平面 |
図案の色: |
墨色 |
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出願分類第5類 |
漢方生薬、草薬、琵琶シロップ、漢方薬、栄養補助食品、ビタミン剤、医薬用カシェ剤。 |
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商品分類: |
005 |
類似群コード |
0501、050101、0503、0512、2919、300502、351907、 |
【判決の趣旨】
ㄧ、中国語の「古傳」は指定商品についての記述的語彙である。
「古傳」はデザイン性のない単純な中国語文字であり、古くから伝わる伝統または古来伝承の方法という意味を有し、薬剤や食品によく用いられる商品説明の語彙である。中国語の「古法伝承」等の語句は、その商品が古来伝承の方法で抽出・精製されている商品を形容するために用いられており、「漢方薬、・・・栄養補助食品、医薬用カシェ剤」等を指定商品とする係争商標は、一般的社会通念に基づいて認知されていることから、単に商品の品質や特性について説明する記述的語彙であり、特定の人により独占使用されるには不適切である。
二、後天的識別性を有する証拠不十分
原告は係争商標が後天的識別性を有すると主張したが、原告が実際に提出した資料では、その商品上に表示された「古傳」の2文字はいずれも美術的デザインが施され、商品の名称と同じ字体で並列されている。つまり実際の使用方法によれば、上述の使用証拠は「古傳」の記述的語彙の性質を変えるものではないため、「古傳」の二文字が関連消費者にとって既に原告が提供する商品の出処を指示する標識として後天的識別性を取得していることを証明するには足りない。【出処:台湾司法院法学資料検索システム】
【分析】
元々識別性を有しない商標が、出願人に使用され、既に取引上で出願人の商品または役務を識別する標識になっている場合、台湾商標法第29条第2項の規定により登録が認められる。この識別性を「後天的識別性」と称する。先天的識別性を有しない商標が取引上既に出願人の商品または役務を識別する標識になっているか否かについては、事実認定の問題がある。上述の判決では、出願人が提出した商標使用の証拠について、使用されている商標の字体デザインや文字のレイアウトがわずかに変えられてはいたが、依然として記述的語彙の使用であるとみなされたため、原告が提供する商品または役務を消費者がこの商標により識別することはできないとして、出願人の敗訴となった。つまり、記述的語彙が「後天的識別性」を取得するには、字体デザインや文字レイアウトを変えるだけでなく、商標図案使用時には商標と説明的記述部分をはっきりと区別する必要があり、使用商標はこのようにしてはじめて識別性を有する標示である証拠となる。