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はじめに
台湾国内における発明特許の審査速度は緩慢で、未処理案件数は14万件にも達し、結審までの平均期間は約36ヶ月にも渡るために、国内産業の競争力に深刻なダメージを与えている。また中国では、特許庁にあたる国家知識産権局がが2009年に受理した特許出願が976,686件に上り、2008年に比べ17.9%も増加している。ここでは、台湾の特許庁にあたる智慧財産局及び中国国家知識産権局が講じた措置と対策について解説していく。
台湾において
発明特許早期審査作業方案
智慧財産局は発明特許出願案件の審査待ち期間を短縮するため、発明特許早期審査作業方案(以下、AEPと称す)の申請、受理を2009年1月から1年間を試行期間として開始した。試行期間中、出願人は台湾で出願する案件が既に台湾国外の特許庁の実体審査を経て登録査定されている場合(事由1)、その特許請求項や関連書類などを審査官に提出することで、審査速度を速めることができるようになった。更に2010年1月1日から、アメリカ、日本、ヨーロッパで既に出願され当該国の特許庁からオフィスアクションが送達されているが、まだ審査結果は出ていない出願(事由2)と、ビジネスの実施上必要とされる出願(事由3)もAEPの申請が可能になった。
当局から既に実体審査或いは再審査開始の通知が発行された発明特許出願に関しても、実際に審査が進行中か否かにかかわらず、上記3つの事由のいずれかに当てはまればAEPの申請ができるようになっている。AEPの申請条件を満たせば、出願人は手続費用を納付する必要はない。原則的には、出願人が提出した必要書類を受理した後、6ヶ月から9ヶ月以内に審査結果通知(審査意見通知書あるいは査定通知書)が発送される。ただし、実際の審査期間は技術分野によって決まる。智慧財産局によると、2009年に申請された発明特許早期審査案件の審査結果が通知されるまでの期間は平均で51.7日(約2ヶ月)であった。
智慧財産局王美花局長は、特許未処理案件問題解決のための「黄金5年計画」を発表した。これにより2015年には現在台湾にある特許未処理案件14.06万件を7.59万件まで減少させ、結審までの平均期間を現在の36.8ヶ月から22ヶ月に大幅短縮するとしている。
中国において
2008年6月5日、国務院は「国家知的財産権戦略要綱」を発表し、特許及び商標の未処理案件の問題解決に動き出した。これにより中国特許審査効率は大幅に改善され、特許登録件数は41.2%も増加した。一方、発明特許実質審査結審期間は25.8ヶ月であり前年に比べ大差はなかった。2009年度の特許満足度調査の結果によると、特許審査の対する満足度は79.4で、2008年の77.3より高得点となった。
特許出願案件の早期審査申請
特許出願人が早期審査を希望する場合は、出願時に実体審査と早期公開を同時に請求でき(中国専利法第34条、第35条を参照)、この場合出願人は実体審査請求時に(中国専利法第36条を参照)、対応する国外案件の審査資料を知識産権局に提出する必要がある(この制度は台湾の早期審査制度に相当する)。
しかし、早期審査請求は以下の場合のみ適用される。
A.既に予備審査の合格通知書が送達されている。
B.早期審査請求ができるのは中国国内の出願人に限り、国外出願人には適用されない。請求時に出願人の居住地である省、市、自治区の知識産権局或いは対応する機構に提案意見を提出する必要がある。
一方、知識産権局の実体審査を経て登録査定された特許は、それに対応する台湾出願で、台湾智慧財産局にAEPを申請することができ(事由1に基づく)、台湾での特許取得が迅速になる。
台湾と中国の政府機関は特許未処理案件問題に積極的に取り組んでおり、現在中国においては顕著な効果が現れている。
次回のトピックは中国台湾間の両岸知的財産権保護協力協議についてです。是非ご期待ください。