ソニーグループ傘下の米ソニー・ミュージックエンタテインメントは現地時間24日、ミュージシャンでノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランさんの全楽曲の権利を取得したと発表した。「風に吹かれて」「ライク・ア・ローリング・ストーン」を含む数百曲分で、ソニーは今後出版物や音楽配信サービスから収益を得られる。
1962年のデビュー以降録音した全楽曲と、今後つくる曲の原盤権をソニーが取得した。契約は2021年7月に結んだ。譲渡額は非公表だが、海外メディアは最大2億ドル(約230億円)と推定している。
ディランさんは62年に現在ソニー傘下のコロンビア・レコードからデビュー。全世界で1億2500万枚以上のレコードを売り上げ、16年にはノーベル文学賞を受賞した。ディランさんは20年に全楽曲の著作権を米ユニバーサル・ミュージック・グループに売却したが、今回ソニーが取得したのは音源の複製や販売を管轄する原盤権で、著作権とは異なる。
楽曲の権利は、音楽配信サービスで過去のヒット曲でも安定的な収益につながりやすく、高値で売買されるようになっている。ワーナー・ミュージック・グループはデビッド・ボウイさんの全楽曲の権利を取得。ソニーも21年にブルース・スプリングスティーンさんやポール・サイモンさんなど著名ミュージシャンの楽曲の権利を取得している。
出典:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC250LQ0V20C22A1000000/