沖縄地区税関は7日、偽ブランド品などの知的財産侵害物品について、2024年に海外から県内への輸入を差し止めた件数は184件(前年比36件増)で、3年連続で増加したと発表した。差し止めた物品数は2710点(同1717点増)で過去5年で最多だった。全国では差し止め件数が3万3019件(同1353件増)で過去最多を記録した。
税関は差し止め件数が22年から増加し続けていることについて、個人使用目的の侵害物品も取り締まりの対象とした改正関税法が同年から施行されたことが理由とみている。品目別では衣類、靴類、バッグ類が総件数の7割を占めた。
差し止め物品数は23年と比べて約3倍となったが、かばんに取り付けることができるキャラクターを模倣した装飾品の差し止めが3件あり、点数が1232点に上ったことが影響したと説明。この装飾品のほとんどがタイから発送されており、商業目的で輸入しようとしたとみられるという。
差し止められた物品は全て国際郵便で発送されており、発送元別に見ると中国が108件(前年比8件減)で最も多く、ベトナムが35件(同26件増)と続いた。税関はベトナムの増加について、偽ブランド品の製造工場が中国から移転しているとの見方を示した。
同税関の小林正史業務部長は「海外の事業者から送付される模倣品は個人使用品であっても輸入できない」として、極端に安い商品などを購入しないように呼び掛けた。
また、同税関は10日から14日の間、取り締まりを強化する。同税関によると、旅客の荷物や国際郵便物など、国外から持ち込まれる物品について、積極的に開封し確認する検査などを実施するという。24年に差し止めた物品は全て国際郵便で発送されていた。
同税関業務部の比嘉晶子知的財産調査官はインターネットの通販サイトなどを通して「手軽さが、輸入の増加につながっている」と指摘。その上で「偽物の輸入は犯罪だ。安易な気持ちで模倣品を買わないようにしてほしい」と呼び掛けた。