経済部智慧局(台湾知的財産局)の2025年第2四半期の商標登録申請において、中国のネット有名人、映像IP、大手コーヒーチェーンなどの出願が目立った。
同局の統計によると、過去10年間、中国は常に外国人申請件数の首位を占めており、今回も例外ではない。官員の分析によれば、これらの出願は必ずしも台湾市場への進出を意味するものではなく、「先取り」して他者の使用を防ぐ狙いが大きいとみられる。
2025年第2四半期の商標申請件数は24,525件、前年同期比3%増加した。区分数は31,230類で6%増、いずれも2015年第2四半期以降で最高水準を記録した。内訳は台湾国内申請が78%、外国人申請が22%である。
外国人申請は5,435件で、中国が1,505件と最多であった。上位申請者には香港の茶悦文化(51件)、中国のネット有名人・葉海洋(46件)、北京光線(36件)が並ぶ。外国人上位10者のうち中国関連は5者を占め、瑞幸珈琲、ゲーム会社・上海米哈遊、個人申請人の黄承芳も含まれる。
葉海洋は自身のネット名称を商標出願しており、北京光線は人気映画IP「哪吒」に関連する商標を申請した。瑞幸珈琲はブランド名やロゴを中心に出願、上海米哈遊はスマホゲーム「崩壊」シリーズの新作「崩壊:因縁精霊」に関する商標を出願した。
一方、瑞幸珈琲のように、台湾での店舗展開を伴わない出願もある。同社は2019年にも台湾で商標を取得したが、3年間未使用で、現在は第三者が使用可能な状態である。今年の再申請について、智慧局は「過去に同一区分で登録済のものは認められない可能性がある」と説明した。
外国人申請の分野別では、コンピュータ・テクノロジー関連が977件で最多、次いで広告・経営・小売サービス674件、化粧品・洗剤574件となった。広告・経営・小売サービスは前年同期比4%増である。さらに、産業別では「技術研究」が1,606件で首位を占め、「服飾品」関連も伸びている。智慧局は「消費市場の活況を反映しており、企業が積極的に商標戦略を展開している」と分析している。
出典:工商時報 https://www.ctee.com.tw/news/20250810700071-439901