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中国国家知識産権局(CNIPA)はこのほど、改正された「特許優先審査管理弁法」を公布した。
同弁法は、2026年7月16日に開催された国家知識産権局第4回局務会議において審議・採択され、2026年9月1日より施行される。
以下、改正後の「特許優先審査管理弁法」の内容を紹介する。
第1条
知的財産権強国の建設をさらに推進し、特許優先審査業務を規範化するため、「中華人民共和国専利法」(以下「専利法」という)および「中華人民共和国専利法実施細則」(以下「専利法実施細則」という)の関連規定に基づき、本弁法を制定する。
第2条
特許優先審査業務は、中国共産党の指導を堅持するとともに、質の高い発展を推進し、ビジネス環境の改善、「新質生産力」の発展を支援し、イノベーション型国家の建設を促進するものとする。
第3条
国家知識産権局は、特許優先審査の管理を担当し、優先審査請求の受理および審査を行うとともに、審査資源の確保を強化し、審査の品質および効率の向上を図る。
省級知識産権局は、その行政区域内における優先審査請求の推薦業務を担当する。
国家知識産権局は、国務院の関係主管部門が本弁法に基づき推薦する優先審査請求を受理することができる。
第4条
次に掲げる特許出願または案件の優先審査については、本弁法を適用する。
(一)実体審査段階にあり、かつ最初の処理が行われていない発明特許出願。「最初の処理」とは、審査官が審査を開始し、通知書を発行することをいう。
(二)実用新案および意匠の出願。
(三)発明、実用新案および意匠の出願に係る復審案件(以下「復審案件」という)。
(四)発明、実用新案および意匠に係る無効宣告案件(以下「無効宣告案件」という)。
国家知識産権局と他の国または地域の特許審査機関との間で締結された二国間または多国間の取決めに基づき優先審査を行う場合、または国家級知的財産権保護センターもしくは迅速権利保護センターによる予備審査を経て迅速審査を行う場合は、関連規定に従って処理し、本弁法は適用しない。
第5条
重要なイノベーション価値および実用化・活用の見込みを有する特許出願または復審案件が、次のいずれかに該当する場合、特許出願人または復審請求人は優先審査を請求することができる。
(一)新興産業もしくは未来産業に関連するもの、または重要な中核技術の研究開発に関連するもの。
(二)省級または区を設置する市級の人民政府が重点的に奨励する産業に関連するもの。
(三)特許出願人または復審請求人が既に産業上の実施を行っている、もしくはその準備を完了している場合、または第三者が当該発明創作を実施していることを証明する証拠がある場合。
(四)同一の主題について最初に中国で特許出願を行った後、他の国または地域において実体審査請求を行った場合における当該中国特許出願。
(五)その他、国家利益または公共利益にとって重大な意義を有する場合。
第6条
無効宣告案件が次のいずれかに該当する場合、無効宣告請求人または特許権者は優先審査を請求することができる。
(一)対象特許について侵害紛争が発生しており、当事者が地方知識産権局に処理を請求し、または人民法院に訴訟を提起している場合。
(二)対象特許について紛争が発生しており、当事者が国家知識産権局に対し、重大特許侵害紛争に関する行政裁決もしくは調停、医薬品特許紛争早期解決メカニズムに関する行政裁決、または開放許諾(オープンライセンス)の実施に関する紛争の調停を請求している場合。
(三)対象特許について実施許諾契約に関する紛争が発生しており、当事者が仲裁機関に仲裁を申し立てている場合。
(四)対象特許が国家利益または公共利益にとって重大な意義を有する場合。
前項(一)に規定する地方知識産権局もしくは人民法院、または前項(三)に規定する仲裁機関は、対象特許の無効宣告案件について優先審査を請求することができる。
第7条
特許代理機構が、特許出願人または案件の当事者による優先審査請求に関するサービスを提供する場合、良好な信用および高い業務・サービス水準を維持するとともに、業界における自主規律上の責任を自覚して履行しなければならない。
第8条
特許出願または案件が次のいずれかに該当する場合、原則として優先審査の対象としない。
(一)特許出願が分割出願であり、その原出願について既に迅速審査が認められている場合。
(二)発明特許出願について、出願人が同日に同一の発明創作について実用新案特許も出願している場合。
(三)特許出願、復審案件または無効宣告案件について、それぞれの審査手続において既に優先審査またはその他の形式による迅速審査が認められている場合。
(四)本弁法第5条(四)に基づき優先審査を請求する特許出願について、明らかに権利化の見込みがないことを示す証拠がある場合。
第9条
特許出願人、復審請求人または特許権者が複数存在する場合、本弁法第5条または第6条第1項に基づき優先審査を請求するには、すべての出願人、すべての復審請求人またはすべての特許権者の同意を得なければならない。
第10条
優先審査を請求する特許出願または案件は、所定の要件を満たす電子出願方式を利用しなければならない。
第11条
出願人が発明、実用新案または意匠の特許出願について優先審査を請求する場合、優先審査請求書および本弁法第5条に定める適用事由に関する資料を提出しなければならない。
本弁法第5条(四)に該当する場合を除き、優先審査請求書には、国務院の関係主管部門または省級知識産権局による推薦意見の記載が必要となる。
出願人は、審査の迅速化に資する先行技術または先行意匠に関する情報・資料を提出することができる。
当事者が復審案件または無効宣告案件について優先審査を請求する場合、優先審査請求書および本弁法第5条または第6条に定める適用事由に関する資料を提出しなければならない。また、優先審査請求書には、国務院の関係主管部門または省級知識産権局による推薦意見の記載が必要となる。
地方知識産権局、人民法院または仲裁機関が無効宣告案件について優先審査を請求する場合、優先審査請求書を提出し、その理由を説明しなければならない。
第12条
専利法および専利法実施細則に基づき納付すべき費用を除き、国家知識産権局は、特許出願または案件について優先審査を請求することを理由として追加料金を徴収しない。
第13条
省級知識産権局は、本弁法第4条から第8条までの規定に基づき、優先審査を請求する特許出願または案件を推薦し、その推薦理由を説明しなければならない。
優先審査請求人が虚偽の資料を提出した場合、またはその他誠実信用の原則に違反する行為がある場合は、推薦を行わない。
第14条
国家知識産権局は、優先審査請求を受理した後、本弁法に基づき、優先審査請求書、推薦理由および関連資料を審査する。
請求資料に形式上の不備がある場合には、優先審査請求人による補正を認める。
審査の結果、優先審査を認めるか否かを決定し、その審査結果を優先審査請求人に通知する。
第15条
国家知識産権局が優先審査を認めた特許出願または案件については、複雑または困難な事情がある場合を除き、優先審査を認める旨の通知書の発行日から、次に掲げる期間内に処理を完了する。
(一)発明特許出願については、45日以内に最初の処理を行い、1年以内に審査を終結する。
(二)実用新案および意匠の特許出願については、2か月以内に審査を終結する。
(三)復審案件については、7か月以内に審理を終結する。
(四)発明特許および実用新案特許の無効宣告案件については5か月以内、意匠特許の無効宣告案件については4か月以内に審理を終結する。
第16条
優先審査の対象となる特許出願について、出願人は速やかに応答または補正を行わなければならない。
発明特許出願に係る審査意見通知書に対する応答期限は、通知書の発行日から1か月とする。
実用新案または意匠の特許出願に係る補正通知書または審査意見通知書に対する応答期限は、通知書の発行日から15日とする。
第17条
優先審査の対象となる特許出願について、次のいずれかに該当する場合、国家知識産権局は優先審査手続を終了し、通常の手続に切り替えることができる。この場合、優先審査請求人に速やかに通知する。
(一)国家知識産権局が優先審査を認める旨の通知書を発行した後、出願人が専利法実施細則第57条第1項または第2項に基づき出願書類を補正した場合。
(二)出願人の応答が本弁法第16条に規定する期限を超えた場合、または出願人が応答期限の延長を請求した場合。
(三)出願人が虚偽の資料を提出した場合、またはその他誠実信用の原則に違反する行為がある場合。
第18条
優先審査の対象となる復審案件または無効宣告案件について、次のいずれかに該当する場合、国家知識産権局は優先審査手続を終了し、通常の手続に切り替えることができる。この場合、優先審査請求人に速やかに通知する。
(一)復審請求人が応答期限を延長した場合。
(二)国家知識産権局が優先審査を認める旨の通知書を発行した後、無効宣告請求人が証拠および理由を追加した場合、または特許権者が請求項の削除以外の方法により請求項を訂正した場合。
(三)特許の復審手続または無効宣告手続が中止された場合。
(四)案件の審理が他の案件の審査結果に依存する場合。
(五)当事者が虚偽の資料を提出した場合、またはその他誠実信用の原則に違反する行為がある場合。
第19条
国家知識産権局は、各地域における特許優先審査業務の管理状況、優先審査請求の推薦およびその後の審査状況、知的財産権の保護・活用状況、国家重点産業および重要戦略への支援状況などを考慮し、各地域に割り当てる特許優先審査件数を決定・調整する。
また、全体的な需要および審査能力を踏まえ、特許優先審査の総件数を総合的に決定する。
第20条
省級知識産権局は、優先審査の推薦に関する業務規則を制定し、推薦基準を明確にするとともに、推薦業務の公平性、公正性、公開性および透明性を確保し、優先審査請求人に対する管理および的確なサービスを強化しなければならない。
第21条
優先審査の推薦、審査、実体的な審理または管理に従事する職員は、法令の関連規定を厳格に遵守し、職務怠慢、職権濫用、私情による不正行為その他の違法・不正行為を行ってはならない。
第22条
誠実信用の原則に違反する行為が認定された優先審査請求人または特許代理機構については、当該行為が認定された日から1年間、国家知識産権局は、その者が提出する優先審査請求を受理しない。
第23条
本弁法の解釈は、国家知識産権局が行う。
第24条
本弁法は、2026年9月1日から施行する。
2017年6月27日に国家知識産権局令第76号として公布された「特許優先審査管理弁法」は、同日をもって廃止する。
出典:中国国家知識産権局