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2017年4月14日に開催された「日本学術会議」の総会において、科学者たちが軍事的な研究を行わないとする声明が発表されました。
■民間技術化した軍事技術
同会議は第二次世界大戦時に日本の科学者が兵器を開発したことの反省として、以前から同様の意見を主張し続けているようですが、僕は疑問を感じます。例えばインターネットは米軍の情報伝達用として開発された技術です。他にもGPS機器や電子レンジなどといった製品、カーディガンやトレンチコートといった衣服も、もともとは軍事用に作られたものです。このように軍事技術の開発、転用が人々の生活を豊かにしているという側面もあります。
さらにいうと、現在、日本の技術は中国で軍事利用されています。太平洋戦争後、兵器開発が制限された日本では最先端技術がいち早く家電や日用品に使われました。そのような理由から世界トップクラスの技術を持った日本企業ですが、昨今の不況を受け三洋電機、シャープ、東芝など業績不振の企業が、国家のバックアップを受けた中国企業に次々と買収されています。
日本の優れた技術を取り入れようとする中国ですが、自国の開発能力はお粗末なものです。中国の知的財産特許局2016年版のデータによると、中国の工業生産用に登録している特許の数は、日本のものが183196件、アメリカのものが122502件であるのに対し、中国のものはわずか12632件にすぎません。
企業単位でいうと、中国のHaierが528件、TCLが162件、廉佳が134件の特許を登録していますが、松下電器産業が16825件、SONYが9817件、日立が8402件と、日本企業に比べるととてつもない差があります。1972年の日中国交正常化以降、中国における日本企業の特許登録数は常に1位を維持しています。現状、日中国交は中国に日本の技術を盗ませるための架け橋になっています。
中国に多数存在する日本の特許技術は軍事技術に転用され、その標的は「恩人」である日本に向けられています。この事実は香港の軍事専門家によって指摘されました。
僕は日本企業が特許使用料を増額すれば中国の軍事拡張に対する有効な抑止力になると思うのですが、知人の在中日本人ビジネスマン数名に聞いたところ、中国企業は日本企業の特許使用をODA(政府開発援助)の一部とみなし、使用料をほとんど支払わずに使ってしまう例が多々あるようです。他国の知的財産を乱用する中国らしい「ジャイアニズム」です。
もし、中国への対抗策として日本が軍事拡張を行えば、国防予算が大幅に増加し国民が多額の税金を支払う事態となるため得策とはいえません。僕は日本が18万以上にのぼる特許の使用料を数倍に増額すること、中国企業を絶えず監視し支払いを行わない場合は厳重に取り締まれば、中国を確実に抑制できると思います。
著者プロフィール
漫画家
孫向文
中華人民共和国浙江省杭州出身、漢族の33歳。20代半ばで中国の漫画賞を受賞し、プロ漫画家に。その傍ら、独学で日本語を学び、日本の某漫画誌の新人賞も受賞する。新刊書籍『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)が発売中。
出典:https://news.nifty.com/article/domestic/society/12216-1309148/